【経営者のための】資金繰りの基本(2)

  • 2020年11月19日
  • 2020年12月31日
  • finance

「資金繰りって難しい?」とお悩みの方へ
  難しいです!がポイントはあります

【参考記事】【経営者のための】資金繰りの基本(1)

【記事の内容】
・資金繰りの管理方法
  -資金繰り表:パターン1
  -資金繰り表:パターン2
・資金繰り改善及び対策
  -資金繰りが厳しいと思ったら
  -資金調達する
  -支払延期交渉の優先順位
  -任意整理・法的整理・M&A・廃業・倒産

前回【経営者のための】資金繰りの基本(1)で、「1.資金繰りの基本、2.利益と資金、3.黒字倒産、4.資金繰り悪化の原因」と考え方を中心に書いてきましたが、今回は実務的な側面から書いてみたいと思います。

資金繰りの管理方法

では、具体的に資金繰りをどのように管理すればよいのか二つの資金繰り表の事例で説明します。実務レベルでよく使っていましたので参考になればと思い紹介します。

資金繰り表:パターン1

資金繰り表は会社や個人事業主の一定期間における現預金の収入や支出の額を示した表のことです。将来の資金繰りを予想しながら収支予定を立てて作成します。将来の資金予測ができていれば、資金の活用方法の検討や倒産の予知と歯止めなどのリスク回避に役立ちます。

次に示すものは、よくある資金繰りのパターンです。

前月残高
前月残高は月初の資金残高です。ここで資金とは、現金、当座預金、普通預金を言いますが、会社によっては定期預金、積立預金を含める場合があります。しかしながら定期預金、積立預金はイザという時のダムとしての役割にして、普段の資金繰りには含めない方がいいでしょう。

収入
経常的に発生する入金で、主に現金売上、売掛金の回収、受取手形の期日入金などがあげられます。会社の取引形態によって必要項目を設定します。

支出
経常的に発生する出金で、主に現金仕入、買掛金の支払、支払手形期日決済、人件費、諸経費、税金などがあげられます。人件費や諸経費などの固定費はほぼ決まってくるのでざっくりとした金額でいいと思います。経営管理上必要な項目を設定しますが現実的には大まかに捉えた方が分かりやすいです。

差引過不足
収入-支出でプラスであれば資金が増加、マイナスであれば資金が減少していることを示します。マイナスが続くようであれば根本的な資金繰り対策が必要になってきます。

財務収入
借入金や割引手形など、営業とは直接関係のない入金項目を設定します。

財務支出
積立金、借入金の返済、税金等、営業とは直接関係のない支出項目を設定します。

当月残高
「当月残高=前月残高+収入-支出+財務収入-財務支出」の算式で計算され、翌月へ繰り越されます。この数字がマイナスになれば資金がショートするということを示しています。何らかの対策を講じなければなりません。

パターン1の変形
財務支出の借入金返済や積立金は、毎月経常的に発生するので上の支出欄に設定することもよくあります。財務収支欄を資金調達とすれば現実的な資金の流れになって分かりやすいという経営者も多いです。下記に示します。

資金繰り表:パターン2

次の事例は、あるシステム会社で財務担当として引き受けた時の資金繰り表です。実際はもっと金額も大きく複雑でしたので簡略化して説明します。資金繰りが非常にタイトな事例で、アバウトな管理だと直ぐに資金ショートし倒産の危機に直面した状況でした。なので単位も円単位で、まさに現金出納帳を資金繰り表に置き換えたものです。経営者にとって一番分かりやすかったのでずっと使っていました。ほぼ毎日のように修正しては報告をしていました。

資金繰りが厳しい場合に使うと効果的だと思います。入金も支出もほぼもれなく把握できるので素早く確実な対応が可能になります。

表示形式
表示形式は、全く現金出納帳と同じです。半年先ぐらいまでのものを作っておきます。数字の確定しないものは、アバウトで構いませんが日付と項目が漏れないように注意しましょう。数字の確定したものは、日付・金額をタイムリーに修正していきます。

表の見方
残高でマイナスになっているところをどうするか、即対応の行動を起こさないといけません。資金調達できなければ、どこに対してどのように交渉するかを決めて優先順位の高いものから行動を起こします。資金繰りの交渉のタイミングは実際的には難しいですが、対応が遅れると倒産に直結しますので早めの交渉行動を起こしましょう。

会社の規模や状況にもよりますが、パターン1で中長期的な資金繰り改善対策を策定し、パターン2で目先の短期的な資金繰り対策を検討実行するのがいいのではないかと考えます。

資金繰り改善及び対策

資金繰りは普段の経営の中ではわかりにくいものです。経営者は直感的になんとなく資金繰りが悪くなっているなとある程度分かるもんですが、不渡を受けるとか大きな変化がないとスルーしがちです。資金繰りの緩やかな悪化を放置しておくと、突然資金ショートがやってきます。今まで経験した中でも、急激に資金悪化が起こり倒産したケースが多々あります。もっと早く対策してればクリアできたのに…と悔しい思いを何度もしてきました。人間誰しも嫌なことは考えたくないものですが、経営者であれば、常に最悪のことを考えておかなければなりません。経営者の一番しんどいところです。

資金繰りが厳しいと思ったら

資金繰りが苦しいと感じたら、即行に原因分析・改善を行うべきです。とは言っても経営者としては「わかっちゃいるけど・・・」と他にやることが山のようにあるので嫌なことは先延ばしにする傾向にあります。「まぁ何とかなるやろぅ」と現実的には乗り切ってきているので、余計にそう思うのでしょう。社長が会社に資金を投入することで問題解決。のど元過ぎれば・・・この繰り返し。いつの間にか手が打てなくなり、廃業や倒産に追い込まれます。

先ず、資金繰りが苦しくなってきたら根本原因を追究することです。先延ばしは命取りになります。

要因は
・会社業績悪化によるものか(外部環境の変化・内部環境の変化)
・資金繰り悪化は一過性のもななのか(季節変動によるものなので回復するかどうか)
・利益率、人件費や諸経費の増大
・過剰在庫
・設備投資、新規事業
・借入金の増大
など

対策・改善
・未回収の売掛金がないか確認し、早急に回収する。
・不要な在庫を処分する。(廃棄、売却)
・無駄な人件費や経費がないか検討し、削減する。
・環境の変化による商材・サービス等の見直し(新型コロナウィルス感染拡大により世の中の仕組みが大きく変わろうとしている。)

顧問税理士やコンサルタントと相談するのもいいでしょう。客観的に分析してくれます。

資金調達する

資金調達の目的による調達
一時的な立替
資金繰りには波があります。通常の流れで一時的に資金が不足する場合は経営者が一時的に立て替えます。そのためにも役員報酬はしっかり取っておいてプールしておきましょう。

業績拡大のための運転資金不足
早めに事業計画を銀行等に示して、必要運転資金の申し込みをします。常に銀行には融資を受けなくても、試算表等を定期的に報告しておくと、必要な時に融資を受けられやすくなります。

設備投資のための設備資金不足
これも事業拡大の一環ですので、早めに事業計画を銀行等に示して、必要設備資金の申し込みをします。設備は回収に時間がかかるので、できるだけ長期の返済期間にしてもらいましょう。

支払延期交渉の優先順位

実際に支払が苦しくなり、金融機関からの資金調達が難しくなってくると支払方法の見直しを検討する必要があります。と言っても商売は信用で成り立っています。一番の信用は、支払期日に支払うべき金額をきっちり支払うことです。なので支払方法を変更することは会社の信用を落とすことになりますので慎重に考えなければなりません。会社の状況にもよりますが、交渉すべき優先順位を考えなくてはいけません。

どこから交渉するか
1.役員報酬のカット、支払延期
2.銀行の返済見直し
3.税金・社会保険料の支払見直し
4.仕入先・外注先などの取引先の支払延期
5.社員の給料の支払延期

交渉の具体的なやり方については、別の機会を設けようと思います。

任意整理・法的整理・M&A・廃業・倒産

それでも資金繰りの改善が見られず、どうしようもない場合に陥ったら一人で考えず、専門家に相談しましょう。状況に応じて手はいくらでもあります。任意整理・法的整理・M&A・廃業・倒産などいろいろな手段があります。仮に倒産するとしても、次に再起しやすい方法も考えられますので、最後まで逃げずに経営者としての責任を全うしてください。それが次への信用もつながり、周りからの支援も受けながら再起できたケースもあります。なので諦めないことです。

一番つらいことは夜逃げしたり、自殺することです。一人で思い悩むと迷路に迷い込みます。衝動的な行動を起こす前に、専門家や家族、友人誰でもいいですので相談してください。それが資金繰りが苦しい時の最後の手段です。資金繰りのことを書くと、過去のいくつかの厳しい状況が思い起こされます。そのような状況に追い込まれる前に、現状分析をして対策を打ちましょう。必ず道は開けます。

まとめ

1.会社の状況に応じた資金繰り表を作りましょう。
2.資金繰りが悪化してきたら、先ず原因分析しましょう。先延ばしは駄目ですよ。
3.どうしようもなくなっても諦めずに専門家(税理士・弁護士・コンサルタント)に相談しましょう。

今回は以上です

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